この記事は、チェーンソー未経験の20代若者でもできる林業の始め方について解説しています。
Yahoo!知恵袋に
「20代です。チェーンソ-など未経験ですが、林業ってできますか?」
と、質問する前にこの記事を最後まで読んで欲しい。
5分で読めるから。
「チェーンソ-未経験の自分なんて林業なんてできない!」と思っている人は多いけれど、それは誤解。
実はちゃんと働きながら学べるし、資格もとれます。
若者が林業を始めるのに必要な事って、「努力」でもなく「根性」でもない。
必要なのは「準備と行動」
今回はそのヒントになる情報を詰め込んだので、モヤモヤ悩んでいるのも今回でお終いにしましょ。
- 林業就職に失敗しないコツ
- 林業に必要な暮らし方
- 参考になる情報のリンク
- 林業の始め方と3つのキーワード
- オススメの就職先情報
- 田舎暮らし10年目のアラフォー
- 家はセルフリノベ、薪ストーブ、自然農法で田畑経験子供2人のパパ
- Twitterのフォロワーは4000人
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【林業の始め方】林業とは?若者を惹きつける魅力って?
林業の始め方を紹介する前に、あなたは林業についてどんな情報を持ってますか?
そして、なぜ今、若者を惹きつけているのか?
林業の始め方:そもそも林業とは?
林業を始めるにあたって、そもそも「林業」とは?
林業とは経済的な目的で、木を伐採、植林し山の保全を行いながら木材を生産する産業。
意外に知られていないのが、薪、木炭、椎茸、栗、山菜などの生産も林業の1つ。
山を整えることで環境保全と、山崩れなどのリスクも抑えている。
林業の始め方:増える35歳未満の若者林業就業者
林業を始める若者が増えているって知ってました?
林野庁では若者を「35歳未満」と定義しています。
平成2年(1990年)には若者の林業就業者数は約6000人で、全体の6%ほど。
平成27年(2015年)では約7700人で、全体の17%に。
全産業の若者率が低下しているのにもかかわらず、林業だけは増えている。
林業の始め方:若者を惹きつけるその魅力とは?
林業を始めたい若者は何に惹かれているのか?
都会のオフィスワークだと、ビル群とデスクが職場環境だよね。
一方、林業のような仕事だと山とチェーンソーが職場。
開放感ハンパない。
複雑化した現代の仕事では、自分の仕事の結果や役割が組織に埋もれすぎて”達成感”や”責任感”も薄れてしまう。
林業は木を切り、木を植え、山を守り、林道も作る。
「自分の全てがダイレクトに反映される」
そこに、自己実現を重ねている若者も多いハズ。
【林業の始め方】仕事内容は?
林業を始めたいけれど、仕事内容はどんなものなの?
「木をチェーンソーで切るだけでしょ?」
そう思ってるあなたは、林業の奥深さを知らない。
育林作業 | 内容 |
---|---|
地拵え(じごしらえ) | 苗木を植える前に低木や雑草を刈り、整理する作業 |
植栽(しょくさい) | 苗木を一本ずつ植えていく作業 |
下草刈り | 苗木の生長を促すため、周囲の下草を刈り取る作業 |
枝打ち | 良い材木を作るために、枝を切り落とす作業 |
間伐 | 木を見極め、間引くことで残った木の成長を促す作業 |
生産作業 | 内容 |
---|---|
主伐 | 市場で販売するために伐採する作業 |
造材 | 伐採した木の長さを規格通りに切る作業 |
集材 | 重機やトラックで木材を一箇所に集める作業 |
【林業の始め方】仕事内容は働き方によって違う
林業を始めたい若者が最初につまづくのが、意外に多岐に渡っている「働き方」。
さらに、組織によって同じ林業でも役割に分かれていたりする。
例えば、A社は伐採がメイン、B組合は集材搬出がメイン、C組合は枝打ちと植林がメインなど。
「特用林産物」を扱う職場ならば、椎茸や薪作りなども仕事の一部になってくる。
【林業の始め方】仕事内容:森林組合の一例
林業を始めると、おそらく一番就職しやすいのが森林組合。
だいたい市町村のハローワークに求人が出ている。
とある、森林組合の仕事内容を見てみよう。
- 春は植栽、夏は下刈り、秋から冬は伐採や枝打ち、除伐は通年
- 大体2~4人で班を作ってチームで行動
- 高性能林業機械と呼ばれる林業用の重機も使う
- 受託事業の書類作成、総務などの事務仕事、体験会の準備
林業の仕事内容:年間のスケジュール
各会社や組織で、メインで受け持つ内容が違うけれど、だいたいこんなパターン。
積雪時期は山に入れないので、他業務になるか、掛け持ちで違う仕事をする人も多い。
林業の仕事内容:一日のスケジュール
お昼は現場で食べることが多いので、弁当持ちに。
あと、昼寝をするかしないかで、午後からの体力が全然変わってくる。
【林業の始め方】仕事内容:労働時間と休日
次は気になる、労働時間と休日。
林業を森林組合で始めたと仮定して、一般例を紹介。
- 朝8時から夕方5時まで
- お昼休憩1時間
- 基本、残業無し
- 週休2日制
- 土日祝日は基本的に休み
- 盆休みが一週間
- 年末年始は正月休みに
- 日給月給制が多く、休みは取りやすい
暗くなると手元が足元が見えなくなるので、山の中での夜間作業などもちろんない。
おおむねカレンダー通りの休日。
働いた日数だけ給料が出る事業所が多いので(月額給与は決められている)、休んだ分だけ少なくなる、シンプルな構造。
【林業の始め方】仕事内容:気になる給料と収入は?
林業を始めるなら一番気になるのが「給料や収入」。
仕事内容が分かってきたところで、お金も大事なテーマだよね。
- 平均年収は427万円
- 林業の中では比較的、給料が高い
- 平均年収は328万円
- 林業の中では比較的、給料が低い
- 林業従事者の育成機関
- 平均年収は334万円
結論、家族持ちは奥さんも働いて田舎暮らしだと暮らせる。
でもサラリーマンみたいにはいかない。
田舎暮らしの単身者は、やっていけそう。
林業従事者は共働きが多い。
でもこのご時世、どの職種でも今はそうだよね。
【林業の始め方】課題点とは?やっぱりきつくて大変なの?
林業を始めるにあたって課題点って何だろう?
収入面もあるかもしれないけれど、やっぱり林業はきつくて大変なのか?
「今の林業」が気になるよね。
【林業の始め方】課題点:林業は給料が安い?
林業の課題点は給料が安いこと?
農業の平均年収は平成27年度で456万円、漁業は360万円ほど(遠洋漁業は700万円)というデータがある。
ちなみに国税庁の「年齢階層別・勤続年数別の平均給与」によると、20代の若者(新卒)の平均年収は約250万円。
月収20万ちょいだね。
新人の林業従事者は18万前後が多い。
しかし、個人事業主として独立して山の経営にのりだすと、収入は大きく変わってくる。
“稼げる林業”を提唱した青木亮輔さんの「株式会社・東京チェンソーズ」は有名な話。
【林業の始め方】課題点:林業は危険なの?
林業の課題点は危険な仕事だということ。
それはデータでも分かる。
厚生労働省の「業種別死傷年千人率」によると、林業の災害発生度合は全産業の中でもトップ。
しかし近年では高性能林業機械の導入や作業道の整備、保護具の進化で死傷災害数も大きく減少している。
チェーンソーや重機も扱う現場なので、注意力は求められる。
先輩や上司もケガをさせたくないから、大切な安全手順を学んで欲しいからこそ、強い口調で指導することもあるかも。
それをちゃんと理解した上で働かないと、ただただ「人間関係」というテーマで悩む人も出てくる。
【林業の始め方】課題点:林業はきついの?
林業を始めようとする若者が、体力自慢であれば心配はないけれど、でもやっぱり重労働でしんどいのかな?
結論、ハーベスタなどの高性能林業機械の導入で大幅に重労働は減ったけれど、大変なのには変わりない!
- 夏場の作業は基本下刈りで、木が生長してない場所でやるので直射日光が厳しい
- 夏が乗り切れずやめてく新人さんは多い
- 泥、オイル、汗、軽油で汚れる
例えば架線集材メインの会社であれば、ワイヤーや重機を扱います。
グリスやオイル、排気ガスにもまみれるので、「思ってたのとチガウ!」となることも。
ちゃんと「何がメイン」の林業なのか把握しないといけない。
林業の仕事内容は多岐に渡るので、草刈りも搬出道作りもその一部。
伐採だけが仕事じゃない。
【悩める若者へ】20代チェーンソー未経験でもできる林業の始め方
悩める若者へ、20代チェーンソー未経験者でもできる林業の始め方。
いよいよ本題に入っていこう。
どうすれば山で働くことができるのか?
【林業の始め方】必要な資格や講習はあるの?
林業を始めるのに必要な資格は、実はない。
ただし、チェーンソ-や草払い機の経験があるとめっちゃ安心。
仕事に役立つ資格や講習は、働きながら身につけていくことが多い。
- チェーンソーによる伐木等特別教育
- 刈払機取扱作業者安全衛生教育の受講
- 小型移動式クレーン技能講習
- 玉掛技能講習
将来的に重機などを扱うのであれば、運転技能講習なども必要。
ワイヤーを使った集材や搬出だと、玉掛技能講習を受けることにもなる。
【林業の始め方】まずは何をしたらいいの?
林業を始めるならばまずは何からしたらいいのか?
- STEP1SNSの利用あなたと同世代の林業者を探そう
- STEP2イベント参加林業体験会やボランティア活動に参加
- STEP3相談会に参加緑の雇用が開催しているガイダンスなど
- STEP4バイトなどアルバイト募集を探してみる
- STEP5就職森林組合、地域おこし協力隊など
今はSNS全盛期。
Twitter、Facebook、Blogで同世代の林業者を追っかけよう。
リアルな内容を見られるし、フォローして丁寧にDMを送れば情報が聞き出せるかもしれない。
暮らしてみたい地域で林業体験会、チェーンソ-体験、森の保全活動などがあれば、積極的に参加してみる。
あと、全くの未経験の若者が林業に挑戦する名作映画「WOOD JOB!〜神去なあなあ日常」は、超おもしろいので一度観るとイメージ沸くかも!?
→「WOOD JOB!〜神去なあなあ日常」を観てみる。
もし森林組合や林業会社で働くことがゴールだとしたら、それまでには「山仕事」を経験しておくことが重要。
【林業の始め方】20代の若者にとって、王道は〇〇
林業を始めたい人にとって、20代の若者だろうが、40歳のおっさんだろうが最初はみんな未経験者。
各自治体が募集している「地域おこし協力隊」では、林業に携わる内容もある。
そういったところでは、チェーンソーや草払い機の経験も積めるし、任期中に資格も取れることもある。
“地域おこし協力隊→林業”はここ数年で流れができている。
【林業の始め方】林業大学校で学ぶ方法もある
林業を徹底的に学んでから現場に入る方法もある。
林業大学校は全国に21校あり、1~2年制をとっている。
国の給付金制度として、林業大学校などに通う人に年間最大155万円が支給される仕組みもあるので、入学者も増えている。
例→長野県林業大学校
【林業の始め方】就職先は3パターン+1
林業の働き方でもいくつか紹介したけれど、就職先はおおむね3つのパターンに分かれる。
①森林組合
森林組合とは、森林所有者が協同して林業を行っている協同組合。
木材生産や森林保全を目指し、森林施業も受託し活動をしている。
全国には約624組合も存在するので、「林業といえば森林組合」とイメージもわきやすい就職先。
山の保有者から委託されて管理を行っている。
②民間事業体
民間事業体とは、わかりやすく言えば「〇〇林業」など個人名がつけられている会社。
自社で山を保有していて、そこで植林と伐採・製材まで行うところもあるし、山の保有者から委託されて管理しているところもある。
例→京都の四辻木材さんのブログはおもしろい。
③自伐型林業
自伐型林業とは自分の山、もしくは委託された他人の山の森林経営や管理を行う、自立・自営的な林業のこと。
現行林業との違いは、家族経営や少ない投資で始められる。
短期的な収益の為に若い木の皆伐をし続けるのでなく、択伐(山林の成長量以上の木を切らない)することによって、永続的に同じ山から利益を出し続ける林業。
最近、注目を集めている新しいスタイル。
④『緑の雇用』で確実に成長
最後のプラス1が「緑の雇用事業」。
林業作業士(あなたのような新人)を育成するため、研修をする林業経営体に対し助成金が出る仕組み。
未経験者でも現場で働きながら、緑の雇用の研修や講習を受けれる手厚いバックアップ。
チェーンソ-未経験でも「これから林業したい!」という熱い若者にはピッタリの仕組みだ。
【20代未経験から始める林業】失敗しない3つのコツ
20代未経験から始める林業では、失敗しない3つのコツがある。
慎重にかつ、大胆に。
そんなバランスがムズい。
でもこれだけは気をつけて!
【20代未経験から始める林業】:①いきなり始めない
「いきなり始めない」って大事。
ヒョロヒョロでずっとインドア派。
体力に自信もないし、汗だくになることもなかった・・。
「そんな自分でも今日から林業やります!」
せめて、山には入りましょ。
登山やキャンプじゃなくて、ちゃんと自治体や森林組合がやってるボランティア活動に参加したり、イベントに参加したり。
例えば先に田舎暮らしを始めて、草払い機やチェーンソ-の扱いに日常的に慣れておくのもアリだよね。
【20代未経験から始める林業】:②同世代とつながること
20代未経験から始める林業、失敗しないコツ2つ目は「同世代とつながること」
SNS使い倒しましょ。
Twitter、Facebook、Instagram。
あなたのお手本になるような人を追っかけて情報を得ましょう。
「なんか似てる!」と思ったら、丁寧にDMを送って相談にのって貰いましょう。
リアルな現場の話が聞けます。
【20代未経験から始める林業】:③仕事の土台を考える
20代未経験から始める林業で一番大事なこと、それは「仕事の土台を考えること」。
林業って数ある仕事の1つですよね?
でもあなたの暮らしは、家があって、地域があって、人がいて成り立つ。
働きやすさは「暮らしやすさ」に比例する。
あなたが林業を選ぶということは、高確率で移住者になるということ。
必然的に田舎暮らしが始まって、自然に囲まれ、田畑もしたりDIYもしたり、そして同じような移住者たちと一緒に過ごすことも多くなるかもしれない。
居心地のいい環境こそ、仕事の土台になる。
【林業の始め方】自分らしく生きたい!田舎暮らしと林業は相性抜群
結局、林業を始める人って、ちょっと特殊。
自然の中で存分に仕事をしたい人は、きっと「こう生きていきたいんだ!」っていうしっかりした想いがある。
自分らしく生きてみたい、自分の仕事で人や山の役にたちたい・・。
もはや林業って生き方にも直結してくるテーマだよね。
【林業の始め方】移住者が多い田舎は暮らしやすい
あなたが林業を始めると、移住者の一員になることは間違いない。
もしかすると、移住先輩の中に林業従事者もいるかもしれない。
そうだとしたら超ラッキー。
根掘り葉掘り、聞き出そう。
そして移住者が多い田舎は、住みやすくて居心地がいい証拠。
地元の人たちも排他的でなく、受け入れ文化があるという事。
暮らしが楽しければ、仕事にも集中できる。
【林業の始め方】田舎には林業が根付いている
そもそも林業が盛んな所って、必然的に田舎になってくる。
もし田舎暮らしが好きなら一石二鳥だ。
薪ストーブ生活もキャンプも、野菜作りも楽しめる。
そして、木を切ることに慣れてくると、あちこちから個人的に仕事も舞い込んでくる。
田舎ならでは交流の1つ。
林業の経験は暮らしの中にも出てくるね。
【林業の始め方】林業が熱い移住先を探す方法
では、今はまだ経験値もそんなになくて、若さだけが取り柄のあなたが(失礼)、どうやって移住先と仕事先を探せばいいのか?
SNSや林業ガイダンスも並行してリサーチしていくのは当然だけれど、やっぱりキーワードを意識して欲しい。
- 移住者として暮らしやすい地域
- 林業が盛んな地域
- 緑の雇用など新人のバックアップがある事業体
必ずこういう地域には、林業従事者の移住先輩がいるし、事業体も若い移住者にも慣れている。
なので、「林業の求人情報+移住情報」を必ずセットで考えること。
例えば僕が住んでいる地域も3つのKWを満たしていて、森林組合の募集も出ている!
市の約70%ほどが森林で琵琶湖もあり、移住者も多い地域。
冬は雪も降りウインタースポーツも盛んで、キャンプの聖地でもある。
高島森林組合は木材出荷量6年連続更新中で、緑の雇用事業も利用している。
【悩める若者へ】20代チェーンソー未経験でもできる林業の始め方<仕事内容はきつい?>まとめ
20代チェーンソー未経験でもできる林業の始め方、仕事内容はきついのまとめをしてみよう。
- 一度は山を経験しておくこと
- 働きながら資格はとっていける
- 伐採だけが仕事ではないということ
- 機械が導入され労災と重労働は減少している
- 田舎暮らしとセットで考えること
本当に林業に挑戦してみたいなら、冷静に情報を集めて、小さな準備を積み重ねるのみ。
いきなり林業の現場、いきなり田舎暮らし・・。
ちょっと面食らって新生活の疲れもでて、早々にリタイアしてしまうかもしれない。
それを避けるためにも、片足ずつ踏み込んで慣れていけばいい。
あなたらしく生きて、仕事をするなら「準備と行動」。
今回紹介したリンク先情報も隅々まで全部読んで欲しい。
きっと、背中を押してくる力になるから。
では!
あなたは善し悪しの判断ができますか?
空き家見学の時に持参できる、
点検項目チェックリストと点検箇所を写真付きで解説!
\PDFファイル付き!/