連載シリーズ「鶏小屋の作り方」、今回はDIYで建てる作業の花形、棟上げ編です。
前回までの工程は【基礎と土台編】DIYでやる鶏小屋の作り方<30年は持たせたい!>を先にお読み下さいませ。
“棟上げ”とは基礎と土台の上に、建物の骨組みを組んでいき、最後に頂点の屋根を支える「棟木(むなぎ)」を、よいしょ!とのせるまでの作業を言います。
僕は素人大工ではありますが、ホゾ穴や仕口を掘って木と木をはめ込んで組んでいく、軸組工法が好きなので、その方法で行ってます。
正直、建築金物を使えばもっと楽ですし速いです。
でも、なんかおもしろくない!笑
ということで、マニアックに作ってみたい人だけ参考にしてくださいね。
プロ大工ではないので、自分勝手なアドリブを存分に発揮してます。
ツッコミどころが満載ですが、それもお楽しみくださいませ。
- ホゾや仕口の作り方
- 鶏小屋の組み方
- やって分かった注意点
実際の棟上げ作業を早送りでみるとこんな感じ。
https://twitter.com/505cocco/status/1417001503781396480?s=20
撮影用なので作業工程が今回の解説と前後していたりしますが、混乱しないように。
- 田舎暮らし10年目のアラフォー
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DIYで建ててやる!鶏小屋の作り方<棟上げ編>
DIYで建ててやる!と意気込んで鶏小屋の作り方を記事にしてますが、小屋作りは実は初めてです、笑。
その前に友人宅の小さな家作りを先に経験してるので、なんとなくは分かってますが。
そうわたしは変人です!
では棟上げ編いってみましょう。
まずは、必要な部材の加工方法から。
骨組みは全て90mm×90mmの3寸角の杉材。
筋交いと火打梁(ひうちはり)はケチって2×4(ツーバイフォー)を使用。
DIYで建ててやる!鶏小屋の作り方:柱の加工
DIYで建ててやる!鶏小屋の作り方の1つ目は「柱」です。
これはそんなに難しくありません。
土台に刺さる側と、軒桁がのる側にそれぞれ”長ホゾ”を作るだけ。
長さは1800mmで両端に長ホゾを作ります。
手ノコでも丸ノコでもできるので、やりやすい方法でいいと思います。
DIYで建ててやる!鶏小屋の作り方:間柱の加工
DIYで建ててやる!鶏小屋の作り方の2つ目は「間柱(まばしら)」です。
四つ角のメインとなる柱の間に入れていきます。
ただし、これは現場合わせで四つ角の柱が立って、軒桁と梁がのってから、その場で実寸を測ります。
これも「長ホゾとホゾ穴」が1番頑丈ですが、補助的な意味合いなので私は土台側に溝を掘ってのせるだけにしました。
・・ウソです、面倒くさかっただけです。
諸事情で3寸角材の廃材再利用と2×4材で作ってます。
2×4材はそのまま入れるだけなので加工はしません。
3寸角の方は長ホゾです。
上側も下側(土台)も同じ加工。
DIYで建ててやる!鶏小屋の作り方:軒桁の加工
DIYで建ててやる!鶏小屋の作り方の3つ目は「軒桁(のきげた)」です。
斜めに向かって下りてくる屋根が乗り掛かる部分ですね。
下からは柱と間柱が刺さり、直角方向には梁(はり)が差し込まれます。
そして軒桁と梁を斜めに結ぶ「火打梁(ひうちはり)」の加工もやります。
腰掛けアリ継ぎの作り方は前回の【基礎と土台編】DIYでやる鶏小屋の作り方<30年は持たせたい!>で解説しています。
火打梁は後ほど紹介します。
柱と間柱が刺さる位置(角材の裏側)にはホゾ穴を作っておきます。計3箇所。
つまり腰掛けアリ継ぎの真裏にくることになります。
梁が差し込まれる腰掛けアリ継ぎの受けから500mmのところに、火打梁の受けを作りました。
ホゾや仕口はいつも「芯と芯」で測ります。
DIYで建ててやる!鶏小屋の作り方:梁の加工
DIYで建ててやる!鶏小屋の作り方の4つ目は「梁(はり)」です。
軒桁と直角に差し込まれる部分が2ヶ所と、小屋の真ん中に1つの計3本。
梁の両端は”腰掛けアリ継ぎ”の仕口を。
真ん中には小屋束(こやづか)が刺さるホゾ穴を掘ります。
その小屋束の真裏側(真下)には間柱が下から刺さるので、ホゾ溝を用意。
ココには2×4材の間柱を入れてるので、38mm×90mmで深さ15mmの溝を掘るだけです。
火打梁が入る加工は後ほど解説。
小屋の真ん中に入る小屋梁(こやはり)だけは少し特殊です。
2段重ねをしてボルトで連結し、最上部に小屋束が刺さるホゾ穴をあけます。
重ねることであえて”重さ”をだして、真ん中から小屋全体を押し固めます。
ボルト締めは2箇所で行い、上に重ねる角材は下側より少し短めに。
斜めに下りてくる屋根材が干渉しないようにするためです。
手元にあったボルトの長さが微妙に足りないので、角材側を削る事に。
座金も入れるのでたまたま持っていた道具で掘り、その後ノミで削りました。
座金を通し180mmのボルトを入れ、19ソケットのインパクトドライバーで締め上げて完了。
DIYで建ててやる!鶏小屋の作り方:小屋束の加工
DIYで建ててやる!鶏小屋の作り方の5つ目は「小屋束(こやづか)」。
これはそれぞれ梁の上に刺さります。
ポイントは真ん中の小屋梁は2段重ねで高くなっているので、逆にここの小屋束だけは短くしてます。
そしてこの小屋束の上に最終目標の棟木が乗るので、小屋束は両側とも長ホゾ。
ただし、棟木が乗る側と小屋梁に刺さる側とでは90度向きが違うので、注意!
DIYで建ててやる!鶏小屋の作り方:火打梁の加工
DIYで建ててやる!鶏小屋の作り方の6つ目は「火打梁(ひうちはり)」です。
これ、個人的になんか好きなんですよね~。
軒桁と梁が直角に交わった角の部分を斜めに結ぶ加工。
これを入れると一気に、建物が揺れにくくなります。
斜めにいれる2×4材は両側を”オス”にして、軒桁と梁側は”メス”としてホゾのように穴を作ります。
一般的にはボルト締めが多いと思いますが、私はこれでいきました。
火打梁の男木(おぎ)には2×4を使ってますが、強度でいえば3寸角材の方がいいと思います。
ケチってます。
受けに当ててカットする部分をけがきます(線引き)。
で、こんな感じに。
これを4箇所作ります。
DIYで建ててやる!鶏小屋の作り方:棟木の加工
DIYで建ててやる!鶏小屋の作り方の最後は「棟木(むなぎ)」です。
いよいよ最終目標の棟木。
加工はめっちゃ楽。
小屋束が刺さる3ヶ所にホゾ穴を作るだけ。
今回は3000mmの角材を購入し、そのまま使ってるのでカットする事もなくロスなく使えました。
DIYで建ててやる!鶏小屋の作り方<棟上げの方法>
DIYで建てる鶏小屋の部材の準備ができたら、いよいよ棟上げの開始です!
鶏小屋の作り方の1番楽しいところでもあり、ドキドキのハイライト。
ちゃんと部材の寸法や加工が合ってればバッチリ組み上がっていきます。
①柱を建てる
鶏小屋の棟上げ1項目めは、柱を建てること。
もうね、刺すだけ、笑。
以上。
まだビスの斜め打ち固定はしません。
②軒桁と梁をのせる
次はちょっと本格的な作業で、建てた柱に軒桁をのせてはめ込みます。
これくらいのサイズなら自立して柱も立ってくれますが、もっと大きな小屋を作るなら「仮固定」をしたほうがいいです。
適当な板で柱と土台を斜めに連結固定します。
そしたらグラグラしにくいので。
軒桁が無事にのったら、こんどは直角に梁をはめ込みます。
おそらく1番難しく、加工と寸法が成功してないと先に進まない箇所。
これで4辺が無事に組み上がりましたね。
最後に、真ん中の小屋梁ものせます。
小屋梁は2段重ねを作ってから持ち上げると辛いので、下段を軒桁に差し込んでから、上段をのせてボルトを通せばOK。
③間柱を入れる
鶏小屋の作り方で隠れた脇役「間柱」。
コイツがあると一気に安定します。
ここまで来たら、柱と土台、柱と軒桁などをビスの斜め打ちで固定します。
まだ全体がぐにゃぐにゃしてるので、必ず水平器を当てながらやりましょう。
そして、間柱は「現場合わせ」で実寸をその場ではかり、角材をカットして作ります。
もちろん2×4材よりも角材の方が強度は上です。
何度も言いますがケチってます、笑。
廃材などを上手く利用していきたいですね。
防腐剤をぬり、ビス打ちです。
ここでしっかり傾きを微調整しながら、水平器を見てしっかり固定します。
ビスは75mmや90mmの長さが必要。
④筋交いを入れる
鶏小屋の作り方で隠れた脇役パート2が「筋交い(すじかい)」です。
柱と間柱の間にななめに入れます。
これも現場合わせ。
実際に2×4材を当ててけがきます。(印をつける)
筋交いは必ず「↗|↘|↗|↘」のように、交互に向きをかえて入れていくこと。
しっかり突っ張るように、正確に測ってギリギリの寸法で攻めるとよく効きます。
⑤火打梁を入れる
鶏小屋の作り方で隠れた脇役パート3が「火打梁」。
すでに2×4で作ってるのではめ込んで、ビス固定でOK。
2×4材はドリルで下穴を開けてからビスを打つと、木が割れなくて済みますよ。
ここまでくれば小屋全体もガチガチに固くなり、ほとんど揺れません。
⑥小屋束をのせる
鶏小屋の棟木を支える「小屋束(こやづか)」をのせます。
3本の梁にそれぞれ差し込んでいくだけ。
難しくない。
もちろん、真ん中だけ1番短い小屋束です。
棟木を置いてから固定していきます。
⑦棟木をのせる
DIYで建ててやる!鶏小屋の作り方の最終項目です。
いよいよ棟木をのせます。
突き出た小屋束の長ホゾに、ピッタリとホゾ穴を合わせてカケヤなどで打ちこんで完了!
重たく長いので、脚立から落ちないように、しっかりと持ち上げましょう。
真上から見るとこんな完成形。
組み上げる前に防腐剤を塗った方が、差し込み内部にも塗れるので効果は高まりますよ。
⑧かすがいを打ち補強する
かすがいはこんな形状の金物で、直角に交わる部分の補強に使用。
しっかり食い込んでつなぎ止めてくれます。
主に高所でグラグラしがちな小屋束を中心に、気になる箇所に打ち込んでいきました。
コツはつなぎ止める2本の部材の”芯と芯”に打ち込むこと。
かすがいはど真ん中を打つと曲がってしまうので、リズムよく交互に両端の角を叩いていきましょう。
小屋の内側と外側ともに打ち込むといいですよ。
さらに強固に締まってくれます。
DIYで建ててやる!鶏小屋の作り方<棟上げの注意点>
ここでは素人大工のDIYで鶏小屋の棟上げまでをやってみて、分かったことと注意点を紹介します。
少しでも参考になれば!
鶏小屋の作り方<棟上げの注意点>:①腰袋と道具は揃えろ
棟上げ作業になると基本的に両手がふさがってることが多いです。
ビス、水平器、スケール、インパクト、ボルト・・。
スグに手元にないと作業効率が悪すぎる。
素人DIYならこだわらなくてもいいので、とにかく腰袋と道具は揃えておきましょう。
腰のベルトは幅広の方が腰に食い込まなくてラク。
後はこういう道具を引っ掛けられるフックとかが、より作業をラクにしてくれますよ。
鶏小屋の作り方<棟上げの注意点>:②仮組みはしておく
鶏小屋の作り方・棟上げの注意点の2つ目は「仮組みはしておく」ことです。
これはむしろ「やっててよかった!」という事。
各部材の加工が終わった時点で、地上で一度ホゾや仕口をはめ込んでみて、位置のズレやキツさがないか確認修正しておきます。
ぶっつけ本番でプルプルしながら頑張って組んでいって、途中で「ハマらない!」「位置がずれてた!」などは最悪です。
心が折れます。
(えぇ、何度も体験してきたのでわかるのです)
なので、仮組みは大事。
鶏小屋の作り方<棟上げの注意点>:③水平器と補助固定を使う
鶏小屋の作り方・棟上げの注意点の3つ目は「水平器」の大切さです。
柱などはいくらホゾや仕口のはめ込みといっても、多少はフラフラしてるので、真っ直ぐには自立しません。
ビス固定する際は必ず水平器を当てて行うようにしましょう。
もし、作業を長時間、数日中断するのならば補助固定で周囲に杭を打ち、そこから柱などに板を繋げておけば仮止めもできます。
鶏小屋の作り方<棟上げの注意点>:④固定してから筋交いを入れる
鶏小屋の作り方・棟上げの注意点の最後は「固定してから筋交い」です。
これは私が失敗した工程!!
柱も間柱も梁もまだビス固定していないうちに、筋交いを現場合わせでけがいて、2×4をカットして順番に入れていきました。
そのまま斜めの筋交いを作ってしまい、後で柱に水平器当ててビス固定したら、筋交いのサイズが変わってしまって・・。
短くなってて届かず・・。
苦肉の策で下に木を入れて高くして、突っ張るようにしました。
なので、ちゃんと全体を固定してから、筋交いを入れましょう。
DIYで建ててやる!鶏小屋の作り方<棟上げのまとめ>
DIYで建ててやる!鶏小屋の作り方・棟上げ編のまとめです!
- 仮組みをして修正点を見つける
- 補助固定・補強は必ず行う
- 腰袋と道具は揃える
- 高所作業に注意
- 失敗してもどうにかなる、笑
仮組みのいいところは、作ったホゾや仕口がきちんとハマるかどうかが事前に分かること。
持ち上げてみて、「ハマりません!」っていう状態はホント辛いから・・。
高所作業は脚立が2ついるし、しっかり足場を用意すれば作業はラクに。
というか2人以上でやればもっと安全。
上部を組み立てるほどに、下に降りて道具やビスを取りに行くのが面倒くさくなる。
腰袋と道具の用意は必須かなと。
失敗したときが成長するチャンス!全力でリカバーするので脳みそフル回転できます。
今後は屋根編へと突入します。
ご期待くださいませ!
以前からリノベや小屋作りのDIYに参考にしているのがこの本。
項目ごとにイラスト付きでスッキリまとめているので、実践しやすい。
小屋でも家でも木造建築の基本は同じなので、めちゃくちゃ勉強になる。
オススメ!
あなたは善し悪しの判断ができますか?
空き家見学の時に持参できる、
点検項目チェックリストと点検箇所を写真付きで解説!
\PDFファイル付き!/